海外のアニメファンの中ではしばしばこんな論争が繰り広げられます。
「アニメはsubが最高だ!dubなんて糞だね。」
「dubのすべてを悪くいうのはよくないな。いいモノだってちゃんとある!」
このsubとdubというのは日本でいう字幕か吹き替えのこと。
- subtitle(サブタイトル):字幕
- dubbed(ダブド):吹き替え
なのでYoutubeの動画名にEngsubとか書いてある場合はEnglish subtitle、つまり英語の字幕があるということ。
よくあるパターンで分けるとこんな感じ。
ENG sub | ENG dub | JPN sub | JPN dub | |
音声 | 日本語 | 英語 | 日本語 | 日本語 |
字幕 | 英語 | なし | 日本語 | なし |
これは元の動画が日本語で話してるアニメだと仮定した場合の表記です。
日本語の動画に日本語字幕がついてることはあまりないんですがここは説明ということで。
アニメを日本語の声のままで字幕を付けて視聴するか、それとも英語の声優の吹き替えで視聴するかの論争をよくしてるんです。
これって結論としてはどっちの意見が優勢で正解とされてるんでしょうか。
そのあたりを色々調べてみました。
ENG(sub)勢が優勢?
統計を取ったわけではないんですがyoutubeのコメントなどを見ていると字幕(日本の声優音声)がかなり優勢に見えます。
今youtubeではアニメを見ている自分のリアクションを撮影する、というリアクション動画が流行っているんですよ。
こんな奴。
このチャンネル主がたまに「次のアニメこれにしようと思うけどみんなどう思う?」というようなアンケートを取ることがあるんですね。
それと同時に字幕にするか吹き替えにするかという調査もするんですがたいていの場合で字幕勢の声が大きいです。
勝手に吹き替えバージョンで見始めると「なんでsubにしないんだよ!」というようなコメントが殺到するのも様式美になりつつあったり。
なので英語吹き替え勢は基本的ににはかなりの少数派になってるっぽいです。
我々日本人は吹き替えを見る人が圧倒的に多いのであまり字幕にこだわる理由がわからないんですがコメントを見てると「声優の演技がひどい」というのが合わせてよく書き込まれていますね。
英語の吹き替え声優は本当にひどいのか
正直に言うと…結構ひどいです。
僕は英語が分かるわけではないし、全部のアニメを見たわけじゃないんですがそんな僕でもわかるくらいひどい箇所がありました。
ちなみに僕がよく見てたのはナルトのアニメ。
ナルトではキャラのその時の感情とセリフのトーンが全然合ってないんですよね。
例えばこんな緊迫した状況なのに、
「もう一度、あの時の顔が見たかったな♪」
っていうようなトーンで会話しちゃってるんです。
英語はわからなかったんですが「なんか違くないか…?」と思ったのを覚えてますw
他にも棒読み感が強く出たのが呻き声ややられ声の瞬間。
このあたりは比較的ワールドワイドだと思うんですが状況に全然あってない声の出し方をするんです。
やけに大げさだったりもっと声を張りあげてほしい感じだったり。
ナルトの中で言えばカカシがイタチと初戦闘する場面。
万華鏡写輪眼を食らって刀を刺し続けられるんですが日本語は絶叫してるのに対して英語はかなり小さいうめき声になってます。
これだと痛みとか強烈さが伝わってこないんです。
こういう所がかなり多くあり、キャラやストーリーに感情移入できませんでした。
ナルトは長くやってるので徐々に声優陣もうまくなっては来ましたが最初は耳をふさぎたくなるくらいひどかったですね…
英語吹替が好評なアニメもある
酷評されるアニメもある一方で海外のアニメオタクでも手放しで絶賛する吹替もあったりします。
その一つが鋼の錬金術師。
吹き替えがうまいアニメ、というと真っ先に名前が挙がるのがこれです。
どうですか?結構日本のアニメっぽくないですか?
特にアルの声が釘宮さんにそっくりに聞こえます。
好評なものをまとめると、
- 好評:鋼の錬金術師、カウボーイビバップ、ブラックラグーン
- 賛否両論:デスノート、進撃の巨人
- 否定的:ほとんど
こんな感じでしょうか。
昔のモノはあまり声優の質もよくないですが最近はかなり頑張ってるように思います。
でもまだまだ技術的な違い、ちゃんとできる人の数も違うんでしょうね。
なんでここまで吹き替えの評判が悪いのか
漫画の初版を求めるようにオタクはオリジナルが好き、というのもあるとは思いますがやっぱり技術が全然違います。
この技術の違いは収録のスタイルが原因になってる部分もあるんでしょう。
みんな個別での収録?
海外ではこんな感じで1人1人がブースに入ってアフレコをします。
日本のナレーションスタイルですね。
この収録方法自体は別にいいんですがこれを大勢のキャラが絡むシーンでもやってしまうんです。
日本なら、
A「おはよう!昨日のテレビ見た?」
B「見てねーよ。雷がすごくて家停電しちゃってさ~」
A「ええ~!マジで!」
というような掛け合いを1つのスタジオで掛け合いをしながら行います。
でも海外は1人収録したらまた別の1人収録、という感じで個別なんですね。
これによって演技の温度差がまずできてしまいます。
話してる相手がどんなトーンで話しかけてるのかわからないままに演技をするのでかなりちぐはぐになるんですよ。
大きなスタジオがないのかわからないですがこのスタイルだと1つの会話がスムーズに聞けなくなるということ。
これが1つ目の問題点。
声優という職業がない?
2つ目は声優という仕事がそもそもないということ。
ボイスアクターという言葉はあるんですがこれは俳優をやってる人が同時にこなすモノという認識なようで、日本みたいに専門学校があったりはしないんです。
なので舞台や映画の演技をそのままアニメにもってきてしまいます。
これはトランスフォーマーの映画で車たちの声を担当した声優のアフレコ風景。
この人たちはみんな名のある俳優ばかりです。
全員下手っていうわけではないんですがお金をかけて吹き替えを頑張ろうとするとこっちの方向に行っちゃうんです。
声だけですべての感情を表現するってかなり難しくて、そのあたりができない人が演じてしまってるんですね。
これを解決するには基本的な教育から始めないといけないのでかなり時間がかかります。
教育がなってないということも酷評される要因になってそうです。
結論:日本人でよかった(´▽`)
海外の人は大変でしょうが僕たちはオリジナルがそのまま楽しめるのでかなりありがたいです。
洋画も「英語で理解してみたいなー」と思うことはありますが声優の技術が高いので全然違和感なく楽しめちゃうんですよね。
あと、これはあんまり海外では語られない英語の欠点なんですが和風な名前の雰囲気が全然でないところもそうです。
「火遁、豪火球の術」というところが「ファイアスタイル、ファイアボールジュツ!」ですからね…
もう完全に魔法じゃん。
こういった細かい雰囲気を訳すのはかなり難しいので日本人でよかったなというところ。
和名のカッコよさを知らないで本当に忍者や侍を楽しめてるのか…?とたまに思いますがそこは内緒にしときましょう…
ちなみに僕の最近のお気に入りはワンピースのリアクション動画。
新しい悪魔のみが出てくるたびに大きなリアクションしてくれるのは見てて楽しいですw
コメント